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Masaya Watanabe     
                                                                                                           Associate Professor at Jobu University                                                                                                         
PhD Medicine(医学博士)
日本膝関節学会会員 
日本スポーツ理学療法学会会員
         Physcal Therapist, JUDO Practionar
  ℡0120-29-9892,  0568-92-9892,
春日井市中央台1-2-2 サンマルシェアピタ南館1F
Sunmarche-Apita Shopping center 1F,
1-2-2 Chuoho-dai, Kasugai city
8:30-19:20, on Monday-Saturday
건강보험증을 이용하여 처음에는(初診) 1280円 미만
使用医保卡首次(初诊)1280日元以下
menos de 1280円  no primeiro(初診)usando cartão de seguro saúde
less than 1280円  at the first(初診)using health insurance card

 
About

題名:鼠蹊部痛と腰痛との関係

発表者:渡辺正哉(上武大学スポーツ健康マネジメント学科准教授,名古屋市立大学大学院研究員)

【主な研究業績】

  1. Masaya Watanabe et al. VEGF-A is involved in intramuscular carrageenan-induced cutaneous mechanical hyperalgesia through the VEGFR1 and TRPV1 pathways. NeuroReport 2023, 34:238–248
  2. 渡辺正哉 他:野球投手における肘関節尺側側副靭帯前斜走線維と尺側手根屈筋の弾性の相互関係,日本超音波骨軟組織学術研究 第21 巻・第号,5-11 2022
  3. 渡辺正哉 他:女子アスリートにおけるACL損傷に伴う不安,日本膝関節症学会,12月,2023年,横浜

4. 渡辺正哉 他:SWEによる野球投手における肘関節内側支持機構弾性の調査,日本スポーツ理学療法学会,1月,2024年,大宮

5.渡辺正哉,肘関節周囲筋タイトネスに注目したAOL stiffness改善,日本超音波骨軟組織学会西日本学術集会,5月,2022年,大阪        

6.渡辺正哉 他,西川彰,肘関節屈曲回内筋群に注目した野球肘に対する徒手療法と評価,日本超音波骨軟組織学会学術総会,10月,2022年,東京

【開示すべき利益相反】

日本学術振興会(文部科学省)科学研究費助成事業(科研費)(課題番号:16K01462,22K11374)代表研究者

【要旨】

鼠蹊部痛と腰痛は、どちらも日常生活や運動に支障をきたす症状である。両者は一見すると関係がないように思われるが、実は密接に関連している。

鼠蹊部痛の原因としては、股関節周囲の筋肉や腱の損傷、鼠径ヘルニア、骨盤の歪みなどが挙げられる。一方、腰痛の原因としては、椎間板ヘルニア筋肉の緊張、骨粗しょう症などが挙げられる。

これらの原因は、鼠蹊部と腰の両方を支える骨盤の歪み筋肉の緊張に起因することが多い。そのため、鼠蹊部痛と腰痛は、どちらか一方の治療だけでは改善が難しく、両方の治療を併せて行う必要がある

本講演では、鼠蹊部痛と腰痛の原因と関連性について解説する。また、両方の痛みを改善するための治療法についても紹介する。

【講演内容】

  • 鼠蹊部痛と腰痛の原因
  • 鼠蹊部痛と腰痛の関連性
  • 両方の痛みを改善するための治療法

【講演の目的】

鼠蹊部痛と腰痛の原因と関連性を理解し、両方の痛みを改善するための治療法を学ぶ。

【対象者】

鼠蹊部痛や腰痛に悩む方、医療関係者

【講演の構成】

  • はじめに
  • 鼠蹊部痛と腰痛の原因(症例検討)
  • 鼠蹊部痛と腰痛の関連性(機能解剖,エコー解剖)
  • 両方の痛みを改善するための評価方法と治療法(触診,徒手検査,筋膜リリース)

 

  • まとめ

質疑応答

『本講演が、鼠蹊部痛や腰痛に悩む方の症状改善に役立てば幸いです。』

【はじめに】

鼠蹊部痛の原因は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

  1. 筋肉や腱の損傷

鼠径部には、股関節を動かす筋肉や腱が多数存在します。これらの筋肉や腱が損傷すると、鼠蹊部に痛みが生じることがあります。

筋肉や腱の損傷の原因としては、スポーツや日常生活での急激な動き、過度の使用、使い過ぎなどが考えられます。

  1. 鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは、腹腔内の内臓が鼠径部から飛び出てしまう病気です。鼠径部に腫れや痛み、違和感などの症状が現れます。

鼠径ヘルニアの原因としては、加齢や肥満、妊娠・出産、重い荷物の持ち運びなどが考えられます。

  1. 骨盤の歪み

骨盤が歪むと、鼠径部や腰に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。

骨盤の歪みの原因としては、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢でいること、運動不足などが考えられます。

また、鼠蹊部痛を引き起こすその他の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 子宮内膜症
  • 尿管結石
  • リンパ管炎
  • 虫垂炎
  • がん

これらの原因は、鼠径部に痛みを引き起こす症状の他に、発熱や吐き気などの症状を伴うことが多いです。

【鼠蹊部痛と腰痛の原因】

腰痛の原因は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

  1. 筋肉や腱の損傷

腰には、多くの筋肉や腱が存在します。これらの筋肉や腱が損傷すると、腰に痛みが生じることがあります。

筋肉や腱の損傷の原因としては、スポーツや日常生活での急激な動き、過度の使用、使い過ぎなどが考えられます。

  1. 椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは、椎間板の髄核が飛び出して神経を圧迫する病気です。腰や臀部、太もも、下肢に痛みやしびれ、麻痺などの症状が現れます。

椎間板ヘルニアの原因としては、加齢や肥満、重い荷物の持ち運び、スポーツなどの過度な負担などが考えられます。

  1. 骨盤の歪み

骨盤が歪むと、腰に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。

骨盤の歪みの原因としては、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢でいること、運動不足などが考えられます。

また、腰痛を引き起こすその他の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 骨粗しょう症
  • 脊柱管狭窄症
  • 変形性関節症
  • 腫瘍
  • 感染症

これらの原因は、腰に痛みを引き起こす症状の他に、発熱や吐き気などの症状を伴うことが多いです。

腰に痛みを感じた場合は、まずは原因を特定するために、医療機関を受診するようにしましょう。

なお、腰痛の約85%は、これらの原因に当てはまらない「非特異的腰痛」です。非特異的腰痛の原因は、明らかになっていません。


鼠蹊部痛と腰痛の原因として共通する筋のトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。

【両方の痛みを改善するための評価方法と治療法】

  • 股関節周囲の筋肉の損傷

股関節周囲には、鼠蹊部と腰の両方を支える筋肉が多数存在します。これらの筋肉が損傷すると、鼠蹊部や腰に痛みが生じることがあります。

股関節周囲の筋肉の損傷の原因としては、スポーツや日常生活での急激な動き、過度の使用、使い過ぎなどが考えられます。

  • 大腰筋の緊張 → 大腰筋Oberテスト,トーマステスト

大腰筋は、腰と股関節をつなぐ筋肉です。大腰筋が緊張すると、鼠蹊部や腰に痛みが生じることがあります。

大腰筋の緊張の原因としては、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢でいること、運動不足などが考えられます。

  • 梨状筋の緊張 → フライバーグテスト,FADIRFテスト

梨状筋は、腰から太ももにかけて伸びる筋肉です。梨状筋が緊張すると、鼠蹊部や腰に痛みが生じることがあります。

梨状筋の緊張の原因としては、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢でいること、運動不足などが考えられます。

これらの筋のトラブルは、骨盤の歪みによって引き起こされることも少なくありません。骨盤が歪むと、筋肉に負担がかかり、損傷や緊張を引き起こしやすくなります。

そのため、鼠蹊部痛や腰痛の治療には、筋肉のケアと骨盤の矯正の両方が必要になる場合があります。


大腿筋膜張筋、縫工筋、腸腰筋は、いずれも股関節を動かす筋肉です。これらの筋肉の緊張や硬さは、股関節可動域制限の原因となることがあります。

大腿筋膜張筋は、股関節の外転、内旋、屈曲の作用があります。大腿筋膜張筋が緊張すると、股関節外転や内旋の可動域が制限されることがあります。

 Oberテスト

縫工筋は、股関節の外転、内旋、伸展の作用があります。縫工筋が緊張すると、股関節外転や内旋の可動域が制限されることがあります。

→ 縫工筋テスト(縫工筋Oberテスト)

腸腰筋は、股関節の屈曲、内旋、伸展の作用があります。腸腰筋が緊張すると、股関節屈曲や内旋の可動域が制限されることがあります。

→ 大腰筋Oberテスト

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 大腿筋膜張筋の緊張は、股関節の外転や内旋時に、股関節の外側や内側に痛みや違和感を引き起こすことがあります。また、歩行や階段の昇降などの動作が困難になることもあります。
  • 縫工筋の緊張は、股関節の外転や内旋時に、股関節の外側や内側に痛みや違和感を引き起こすことがあります。また、膝関節の外反や内反を制限し、膝痛の原因となることもあります。
  • 腸腰筋の緊張は、股関節の屈曲や内旋時に、腰痛や股関節痛を引き起こすことがあります。また、骨盤の歪みを助長し、腰痛や肩こりの原因となることもあります。

股関節可動域制限の改善には、筋肉のストレッチやマッサージ、運動療法などが有効です。また、骨盤の歪みを矯正することで、筋肉の緊張や硬さを改善できることもあります。

なお、股関節可動域制限の原因は、筋肉の緊張や硬さ以外にも、関節の炎症や損傷、骨の変形などがあるため、医療機関を受診して原因を特定することが大切です。

 

【まとめ】

  • 大腿筋膜張筋,縫工筋,腸腰筋の緊張は、股関節の外転や内旋時に、股関節の外側や内側に痛みや違和感を引き起こすことがあります。また、これらの筋膜構造には血管,神経を含みこれらの筋膜間で血管神経の絞扼が生じていることが考えられます.
  • 鼠蹊部痛に関連する筋の緊張をテストすることで骨盤の歪みの原因,腰痛の原因にもアドレスすることが可能です.
  • 縫工筋の緊張は、股関節の外転や内旋時に、股関節の外側や内側に痛みや違和感を引き起こすことがあります。また、膝関節の外反や内反を制限し、膝痛の原因となることもあります。
  • 腸腰筋の緊張は、股関節の屈曲や内旋時に、腰痛や股関節痛を引き起こすことがあります。また、骨盤の歪みを助長し、腰痛や肩こりの原因となることもあります。
career
  • WATANABE MASAYA

    渡辺正哉(院長,上武大学准教授,博士(医学),   

  • 障害者スポーツ指導員,理学療法士,柔道整復師)

  • 2020Tokyoオリパラ・公式メディカル
  •   スタッフ
  • 日本膝関節学会,日本超音波整形外科学会,日本疼痛学会,日本神経科学学会,日本解剖学会会員
  • ・日本スポーツ理学療法学会,日本柔道整復接骨医学会査読委員
  • 小児,学童スポーツ・パフォーマンス指導,スポーツ障害予防のスポーツ・リハビリテーションを行います.
  • 作業療法士によるADL,QOLカウンセリングをおこなっております.日常の生活動作でお困りのことがあれば承ります.
 Watanabe Masaya (원장, 조부대학 부교수, 의학박사, 
장애인 스포츠 강사, 유도 선수, 물리치료사) 모든 것들은 예방접종(COVID-19)을 접종받았습니다! 저희 사무실에서는 차아염소산나트륨 발생으로 인한 신형 코로나바이러스
(COVID-19)에 대한 대책을 24시간 동안 시행하고 있습니다.
항바이러스제를 위한 사무실 환경을 안심하시기 바랍니다. · 와타나베 선수가 2020년 도쿄 올림픽·패럴림픽 공식 의료진으로
선정되었습니다. ・일본유도정골의학협회의 동료평가자로 임명되었습니다. ・ 작업치료사에 의한 ADL 및 QOL 상담. 일상생활에 어려움이 있으신
경우 언제든지 연락주시기 바랍니다. ・ 어린이 및 초등학생을 대상으로 스포츠 수행 지도 및 스포츠 부상
예방을 위한 스포츠 재활을 실시하고 있습니다. (성인, 노인, 장애인을 위한 스포츠 및 재활지도도 제공하고 있습니다.)                          감사합니다
渡边正哉 (董事、常府大学副教授、医学博士、残疾人体育教练、
柔道练习者、物理治疗师) 所有东西都已接种疫苗(COVID-19)!在我们的办公室,我们正在24
小时内针对由次氯酸钠的产生引起的新型冠状病毒(COVID-19)
采取措施。办公环境抗病毒药物请放心。 ・渡边被选为2020年东京奥运会和残奥会的官方医疗人员。 ・被任命为日本柔道实践者和整骨医学会的同行评审员。 ・ 职业治疗师提供的 ADL 和 QOL 咨询。如果您的日常活动有任何
问题,请随时与我们联系。 ・ 为儿童和学童提供运动表现指导,以及预防运动损伤的运动康复。 (我们还为成人、老年人和残疾人提供运动和康复指导。) 谢谢
Masaya Watanabe (Diretor, Professor Associado da 
Universidade Jobu, Doutor em Medicina, Instrutor Esportivo
para Pessoas com Deficiência, Praticante de Judô e
Fisioterapeuta) Todas as coisas foram vacinadas (COVID-19)! Em nosso escritório, estamos tomando medidas contra o
novo coronavírus (COVID-19) causado pela geração de
hipoclorito de sódio por 24 horas. Fique tranquilo quanto ao
ambiente do escritório para antivirais. ・ Watanabe foi selecionado como equipe médica oficial para
as Olimpíadas e Paraolimpíadas de Tóquio em 2020. ・Ele é nomeado revisor da Associação Médica Japonesa de
Judô e Osteopatia. ・Aconselhamento sobre AVD e QV por terapeutas
ocupacionais. Se você tiver algum problema com suas
atividades diárias, não hesite em nos contatar. ・Oferecemos orientação sobre desempenho esportivo para
crianças e escolares e reabilitação esportiva para prevenir
lesões esportivas. (Também oferecemos orientação esportiva e de reabilitação
para adultos, idosos e pessoas com deficiência.) Obrigado
 
負傷原因がない痛みはない,筋痛症候群≒こり
  • 筋痛症に対する新たな治療ターゲット
    概要

    上武大学医学生理学研究所の渡辺正哉准教授 (上武大学ビジネス情報学部スポーツ健康マネジメント学科准教授),名古屋市立大学大学院機能組織学の植田高史准教授,三輪陽子研究員,鵜川眞也教授らは,筋痛モデル動物(マウス),及び,TRPV1ノックアウトマウスで血管内皮増殖因子 *1-A(Vascular endothelial growth facto-A, VEGF-A)の遺伝子解析,タンパク解析を行い,その成果を報告しました.この研究は,アスリートだけでなく,多くのスポーツ愛好家にも生じる筋痛症の発症メカニズムの解明につながり,VEGFレセプタ−1(VEGFR1 *2)が新規治療ターゲットになりうるものです.

     

    筋膜性疼痛症候群(myofascial pain syndrome, MPS)や筋線維症,炎症性筋痛症は,競技者のみならず高齢者にいたる多くの患者を有し,発症原因の解明や治療法の確立が急務となっています.本研究グループは,炎症性筋痛の発症メカニズムと関連シグナルの伝達経路の同定を目的に筋痛症モデル動物を作出し,その疼痛回避行動分析と薬理学的解析を行いました.VEGF-Aは、血管新生と疼痛において主要な役割を果たし癌性疼痛や慢性疼痛における過敏症に関与するとされます,そしてVEGF-Aは、組織における虚血状態によって誘発されるだけでなく痛覚誘発性サイトカインとも強く相関していて,炎症性筋痛症では,局所の虚血状態も疼痛誘発性サイトカインの発現は顕著にみられます.しかし,筋痛症におけるVEGF-Aの関与とその分子基盤は不明です.

    本研究では,マウスのヒラメ筋膜と深層筋の筋膜間に起炎剤(carrageenan),あるいはVEGF-A165遺伝子組換えタンパクを注射し急性期,および亜急性期筋痛モデル動物を作出し,局所におけるVEGF-A遺伝子発現を解析しました.解析の結果,局所におけるVEGF-A遺伝子発現が増加することがわかりました.そこで,同じ部位にVEGFR1抗体を投与したところ疼痛過敏が著しく改善し,一方でVEGFR2 *3中和抗体,拮抗剤では効果は限定的でした.そこで,TRPV1 *4拮抗剤(capsazepine)を事前投与したところVEGF-Aによって誘発された疼痛過敏が抑制されました.これらの結果は,筋痛症においてVEGFR1と TRPV1を介した侵害受容経路があることがわかり,VEGFR1を抑制することで炎症性筋痛症における疼痛過敏が緩和されることがわかりました.

    VEGFR1は,癌性疼痛だけでなく筋痛症の治療ターゲットとして,そして新規の鎮痛剤開発の候補としての期待がもたれます.

     

    本研究成果は、令和5年2月にLippincott Willams& Wikins発行の科学誌『 Neuroreport 』(2023年, 34号,238–248頁)に掲載されました.

    https://journals.lww.com/neuroreport/Abstract/2023/03010/Vascular_endothelial_growth_factor_A_is_involved.8.aspx

    筋膜性疼痛症候群
    筋硬結,トリガーポイント,関連痛

    筋筋膜性疼痛症候群(きんきんまくせい とうつうしょうこうぐん, Myofascial Pain Syndrome, MPS)とは、体の筋肉に時に激しい疼痛を生じる病気である。この病気が発生する可能性がある筋肉は全身の筋肉である。アメリカでは Chronic Myofascial Pain (CMP) 、Myofascial pelvic pain syndrome (MPPS)と病名を変更する動きもある。

    原因やメカニズムはある程度解明されているが、血液検査MRIコンピュータ断層撮影など、通常の西洋医学で行われる検査では目に見える根拠がでない事もあり、この病気の存在そのものが医学界はもとより患者の間にも十分に認知されていないため、椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症すべり症半月板損傷など神経根障害による痛みと誤った診断をされるケースがある。

    また、現在、特に日本ではこの病気に対する認知度が医師、患者の双方で非常に低いため、初期の段階で適切な治療を受ける事が難しく、治療の開始が遅れることにより、痛みの信号を脳に長時間に渡って入れて慢性化させ、まだ解明しきれていない複雑な脳の働きも関与させてしまい完治を難しくしている実状もある。

    • 筋硬結

      体の特定部位に疼痛を発生させる。時にその痛みは歩行、座る事、立つ事など日常生活を困難にするほどの強い疼痛になる事がある。痛みの種類は人や時により異なるが、焼けるような、刺すような、うずくような痛みとして例えられている。また、時間の経過とともに痛みの種類、場所が変化する場合もある。

      激しい運動等の過負荷により筋肉が微少損傷を受けた場合、その部分の筋肉が収縮して、一般に言う筋肉痛の症状が現れ、通常は数日から数週間で自己回復する。しかし、回復の過程でさらに過負荷をかけたり、冷やしたりして血行の悪い状態にすると、この収縮が元に戻らなくなり、筋肉が拘縮状態になり痛みを発生し続ける。この状態を「索状硬結(さくじょうこうけつ、Taut Band)」または「筋硬結(きんこうけつ、Muscle Knots)」と呼び、索状硬結部位へ物理的に力を加えると強い痛みを感じる事から、この状態の部位を圧痛点 (Tender Point) と呼ぶ。

    • トリガーポイント

      この病気の特徴の一つに、痛みは索状硬結部位だけでなく、その部位をはじめに周辺まで広い範囲に疼痛を発生させるという点がある(関連痛)。圧痛点の中で物理的に力を加えると周辺部まで強い痛みを感じさせる圧痛点を特にトリガーポイント(発痛点)と呼ぶ。例えば、腰の横の部分にある小臀筋に発生したトリガーポイントは、足全体に疼痛を引き起こすことがある。疼痛の感じ方は人それぞれであり、同じ人でも時間の経過と共に、疼痛の種類、疼痛の部位が変化する場合もある。

    • メカニズム

      筋筋膜性疼痛症候群の痛みのメカニズムは以下のように考えられている。筋肉に索状硬結が発生するとその部分で酸素欠乏が起きる。酸素欠乏が起きると血液中の血漿からブラジキニンなどの発痛物質が生成されて、それが知覚神経の先端にある痛みを感じるセンサーであるポリモーダル受容器に取り込まれ、痛みの電気信号に変換され神経を伝わり脳に達し、痛みを感じる。

      また、脊髄は筋肉からの痛み信号をとらえて、無意識のうちに自律神経の一つである交感神経を働かせて、さらに索状硬結が発生している場所、及び周辺の筋肉の血管収縮を行わせる。その結果、再び酸素欠乏が発生し発痛物質が生成されて、痛みがさらに強くなると同時に、痛みの場所、範囲も広がる。このような脳や脊髄の働きにより痛みの連鎖が発生する。

    • 診断基準

      Dr.David G. Simonsが発表した筋筋膜性疼痛症候群の特徴であるトリガーポイントの識別基準の日本語要約は以下の通り

      必須基準

      1.触診可能な筋肉の場合,そこに触診可能な索状硬結があること.

      2.索状硬結にする鋭い痛みを感じる圧痛点があること.

      3.圧痛点を押した時に,患者から圧痛点の周辺部分を含む圧痛点からくる関連痛があること.

      4.痛みにより身体の可動範囲に制限があること.

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