日本病院理学療法研修会講演内容

発表日:2023年11月3日

題名:鼠蹊部痛と腰痛との関係

発表者:渡辺正哉(上武大学スポーツ健康マネジメント学科准教授,名古屋市立大学大学院研究員)

【主な研究業績】

  1. Masaya Watanabe et al. VEGF-A is involved in intramuscular carrageenan-induced cutaneous mechanical hyperalgesia through the VEGFR1 and TRPV1 pathways. NeuroReport 2023, 34:238–248
  2. 渡辺正哉 他:野球投手における肘関節尺側側副靭帯前斜走線維と尺側手根屈筋の弾性の相互関係,日本超音波骨軟組織学術研究 第21 巻・第2 号,5-11 2022
  3. 渡辺正哉 他:女子アスリートにおけるACL損傷に伴う不安,日本膝関節症学会,12月,2023年,横浜

4. 渡辺正哉 他:SWEによる野球投手における肘関節内側支持機構弾性の調査,日本スポーツ理学療法学会,1月,2024年,大宮

5.渡辺正哉,肘関節周囲筋タイトネスに注目したAOL stiffness改善,日本超音波骨軟組織学会西日本学術集会,5月,2022年,大阪        

6.渡辺正哉 他,西川彰,肘関節屈曲回内筋群に注目した野球肘に対する徒手療法と評価,日本超音波骨軟組織学会学術総会,10月,2022年,東京

【開示すべき利益相反】

日本学術振興会(文部科学省)科学研究費助成事業(科研費)(課題番号:16K01462,22K11374)代表研究者

【要旨】

鼠蹊部痛と腰痛は、どちらも日常生活や運動に支障をきたす症状である。両者は一見すると関係がないように思われるが、実は密接に関連している。

鼠蹊部痛の原因としては、股関節周囲の筋肉や腱の損傷、鼠径ヘルニア、骨盤の歪みなどが挙げられる。一方、腰痛の原因としては、椎間板ヘルニア筋肉の緊張、骨粗しょう症などが挙げられる。

これらの原因は、鼠蹊部と腰の両方を支える骨盤の歪み筋肉の緊張に起因することが多い。そのため、鼠蹊部痛と腰痛は、どちらか一方の治療だけでは改善が難しく、両方の治療を併せて行う必要がある

本講演では、鼠蹊部痛と腰痛の原因と関連性について解説する。また、両方の痛みを改善するための治療法についても紹介する。

【講演内容】

【講演の目的】

鼠蹊部痛と腰痛の原因と関連性を理解し、両方の痛みを改善するための治療法を学ぶ。

【対象者】

鼠蹊部痛や腰痛に悩む方、医療関係者

【講演の構成】

 

質疑応答

『本講演が、鼠蹊部痛や腰痛に悩む方の症状改善に役立てば幸いです。』

【はじめに】

鼠蹊部痛の原因は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

  1. 筋肉や腱の損傷

鼠径部には、股関節を動かす筋肉や腱が多数存在します。これらの筋肉や腱が損傷すると、鼠蹊部に痛みが生じることがあります。

筋肉や腱の損傷の原因としては、スポーツや日常生活での急激な動き、過度の使用、使い過ぎなどが考えられます。

  1. 鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは、腹腔内の内臓が鼠径部から飛び出てしまう病気です。鼠径部に腫れや痛み、違和感などの症状が現れます。

鼠径ヘルニアの原因としては、加齢や肥満、妊娠・出産、重い荷物の持ち運びなどが考えられます。

  1. 骨盤の歪み

骨盤が歪むと、鼠径部や腰に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。

骨盤の歪みの原因としては、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢でいること、運動不足などが考えられます。

また、鼠蹊部痛を引き起こすその他の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

これらの原因は、鼠径部に痛みを引き起こす症状の他に、発熱や吐き気などの症状を伴うことが多いです。

【鼠蹊部痛と腰痛の原因】

腰痛の原因は、大きく分けて以下の3つに分けられます。

  1. 筋肉や腱の損傷

腰には、多くの筋肉や腱が存在します。これらの筋肉や腱が損傷すると、腰に痛みが生じることがあります。

筋肉や腱の損傷の原因としては、スポーツや日常生活での急激な動き、過度の使用、使い過ぎなどが考えられます。

  1. 椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは、椎間板の髄核が飛び出して神経を圧迫する病気です。腰や臀部、太もも、下肢に痛みやしびれ、麻痺などの症状が現れます。

椎間板ヘルニアの原因としては、加齢や肥満、重い荷物の持ち運び、スポーツなどの過度な負担などが考えられます。

  1. 骨盤の歪み

骨盤が歪むと、腰に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。

骨盤の歪みの原因としては、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢でいること、運動不足などが考えられます。

また、腰痛を引き起こすその他の原因としては、以下のようなものが挙げられます。

これらの原因は、腰に痛みを引き起こす症状の他に、発熱や吐き気などの症状を伴うことが多いです。

腰に痛みを感じた場合は、まずは原因を特定するために、医療機関を受診するようにしましょう。

なお、腰痛の約85%は、これらの原因に当てはまらない「非特異的腰痛」です。非特異的腰痛の原因は、明らかになっていません。


鼠蹊部痛と腰痛の原因として共通する筋のトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。

【両方の痛みを改善するための評価方法と治療法】

股関節周囲には、鼠蹊部と腰の両方を支える筋肉が多数存在します。これらの筋肉が損傷すると、鼠蹊部や腰に痛みが生じることがあります。

股関節周囲の筋肉の損傷の原因としては、スポーツや日常生活での急激な動き、過度の使用、使い過ぎなどが考えられます。

大腰筋は、腰と股関節をつなぐ筋肉です。大腰筋が緊張すると、鼠蹊部や腰に痛みが生じることがあります。

大腰筋の緊張の原因としては、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢でいること、運動不足などが考えられます。

梨状筋は、腰から太ももにかけて伸びる筋肉です。梨状筋が緊張すると、鼠蹊部や腰に痛みが生じることがあります。

梨状筋の緊張の原因としては、姿勢の悪さ、長時間同じ姿勢でいること、運動不足などが考えられます。

これらの筋のトラブルは、骨盤の歪みによって引き起こされることも少なくありません。骨盤が歪むと、筋肉に負担がかかり、損傷や緊張を引き起こしやすくなります。

そのため、鼠蹊部痛や腰痛の治療には、筋肉のケアと骨盤の矯正の両方が必要になる場合があります。


大腿筋膜張筋、縫工筋、腸腰筋は、いずれも股関節を動かす筋肉です。これらの筋肉の緊張や硬さは、股関節可動域制限の原因となることがあります。

大腿筋膜張筋は、股関節の外転、内旋、屈曲の作用があります。大腿筋膜張筋が緊張すると、股関節外転や内旋の可動域が制限されることがあります。

Oberテスト

縫工筋は、股関節の外転、内旋、伸展の作用があります。縫工筋が緊張すると、股関節外転や内旋の可動域が制限されることがあります。

→ 縫工筋テスト(縫工筋Oberテスト)

腸腰筋は、股関節の屈曲、内旋、伸展の作用があります。腸腰筋が緊張すると、股関節屈曲や内旋の可動域が制限されることがあります。

→ 大腰筋Oberテスト

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

股関節可動域制限の改善には、筋肉のストレッチやマッサージ、運動療法などが有効です。また、骨盤の歪みを矯正することで、筋肉の緊張や硬さを改善できることもあります。

なお、股関節可動域制限の原因は、筋肉の緊張や硬さ以外にも、関節の炎症や損傷、骨の変形などがあるため、医療機関を受診して原因を特定することが大切です。

 

【まとめ】


 

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